さっきまで何の問題もなかった人が、ちょっとしたことでぎっくり腰を引き起こし、とたんに歩けないようになることがあります。ぎっくり腰は椎間板や腰の骨などが原因ではなく筋肉のけいれんが原因なので、鍼灸治療もかなり有効だということです。またぎっくり腰にはいくつかのパターンがあります。まず、腰を真っ直ぐ伸ばすのが痛くて前屈みにヨチヨチ歩くような痛みは大腰筋がけいれんしています。大腰筋は深い位置にある筋肉なので表面をマッサージしても届きにくいため、鍼灸治療の得意分野です。また、ひねると痛いような場合は腰方形筋という縦に長い筋肉が原因です。ここを刺激する鍼の刺し方は昔からある伝統的なものだそうです。それから前屈みになると痛いので背中をそらし気味になっている人は、横突棘筋を傷めています。もちろんこの場合も有効なツボがあります。鍼灸治療ではその人の姿勢から痛みの部位を推測し、ピンポイントで筋肉を刺激することが可能です。